私のような老害が新しいMacbookを買うわけがない

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横田です。Vaio派です。

新しいMacBookが発表されました。多くの噂サイトで話題になったようにRetina12インチで、Macbookという名前ですが事実上Macbook Airの後継機種という位置づけです。MacBook ProがRetinaディスプレイになっているので、待ちに待ったMacBook AirのRetina化です。

しかし「多くの人達が待ち望んだRetinaディスプレイが搭載されたMacBook Air」は昔からのパソコンを使っていた人からは、あまり良い意見が出てきていません。曰く「USB-Cポート 1つしかないじゃないか。これじゃあ、電源ケーブルにつないで、iPhoneを充電しながら、プロジェクターでプレゼンできないじゃないか、どうしてくれるんだ! 背面のアップルロゴが光らないぞ! スペックが低くてイラレもフォットショも使えないじゃないか! キーボードもペラペラで長い文章を打ちにくいぞ!」とのことです。いくらRetinaディスプレイが搭載されたとは言え、私のような「老害」じゃなかった…「昔ながらのパワーユーザ」は、このような理由から新しいMacBookを使うことはできないという方もいらっしゃると思います。

そのような皆さん、どうぞご安心ください。そも々、新しいMacBookは我々のような人間は相手にしていません。悲しい現実だが、多くの人達がパソコンに求めているのはブラウジングとFacebookとTwitterと、そしてもしかしたらMicrosoft Officeだけです。我々のように電源ケーブルにつないでiPhoneを充電させながら、プロジェクターでプレゼンをしたり。自宅に大きなディスプレイと叩きやすいキーボードがあるのに関わらず、わざわざノマドを気取ってカフェでパソコンをいじる事はしません。そういう人はMacbook ProかMac Proを買った方が良いでしょう。

とは言え、今回のMacBookに様々なポートを切り捨てて「USB-Cポート」だけを入れたのは、ずいぶん思い切ったように思えます。しかし、これは何人かの人が指摘している通り、Appleにとっては「よくあること」です。例えば、iMacを発売した時はフロッピィー(1990年以降の生まれの人は知らないと思うが、当時はDropboxではなくフロッピーにデータを保存するのが一般的だった)を、Macbook Airの時はCD-ROM、DVD-ROM(蛇足だが、最近CDを買ったと会社で隣の席の人に言ったら「今時CDを再生できる機械を持っているのか?」と言われました)を取り外してきました。その度に、我らのような老害はAppleに文句を言ってきました。

例えば、1998年に日本で翻訳版が発売されたAppleの歴史(創業からiMac発売まで)についての本「アップル 世界を変えた天才たちの20年」では、iMacの発売について、このような事を書かれています。

 “われわれマスコミの人間はiMacの隠れた問題点に当初気がつかなかったが、iMacはフロッピィー・ディスク・ドライブを搭載していなかった(中略)有名なマッキントッシュ・アナリストのヘンリー・ノールはウェブ・サイト、マッキントッシュのコラムで疑問を呈した「これ【フロッピーを搭載しなかったこと】はとてつもない間違いであり、iMacの魅力をかなり削いでしまうと思う」”

彼らの意見とは正反対にiMACが売れまくったのは皆さんのご存じの通りです。確かにターゲットが「(パソコンをよく使う)マスコミの人間」や「(Macをバリバリ使う)有名なマッキントッシュ・アナリスト」であるならばiMACは単に信仰心を試す道具でしかなかったでしょうが「そうではない人達」に売れたということなのでしょう。過去のAppleの歴史を見れば、今回のMacbookも我々のような老害を切り捨てて、そうでない人達をターゲットにしたものだということがよくわかります。

というわけで、MacBookに文句がある人は素直にMacBook Proを買った方が良いように感じています。

[関連リンク]

Appleの新たな裏切り – TechCrunch

新Macbook?Appleが未来を探検するのはユーザーへの裏切りではない – TechCrunch

林信行の実機リポート:「新しいMacBook」を選ぶ本当の意味 (1/5) – ITmedia PC USER

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