Webページの表示コントロールは読者側と配信側のどちらにあるべきか?

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※ この記事は2011年12月に書いたものです。

EvernoteのClearlyエクステンションがFirefoxに対応したという事で早速使ってみました。このClearlyは、Webページのメインコンテンツ(ネットニュースであれば、ニュースの本文)を抜き出し、サイドにある広告や他の記事のバックナンバーへのリンクを削除してくれるものです。私は見ているページをTomblooを利用してEvernoteに保存しているのですが、そのままWebページを保存すると、色々な余分な物が入ってきます。ところが、このClearlyのようなツールを使えば本来のコンテンツのみ保存できますし、実際にWebページを読む時は便利です。

Clearlyに限らず最近、このようにWebページの余分な要素を削除して、本文のみを抽出するサービスが増えています。例えば、iPhoneに搭載されているSafariの機能「リーダー」はClearlyのように、Webページを読みやすいように本文のみ抽出してくれますし、後で読む記事をクリッピングしてくれるツール「Instapaper」も同様にWebページの本文のみを抜き出してくれるツールです。

これらのツールは利用者側としては、非常にありがたいですが、Webページを配信する側としては、困った存在でしょう。広告などをクリックされなくなる可能性が多くなることもそうですが、色々と考えて作成したデザインがほとんど無駄になってしまうからです。結局、本文のみのページが一番良いということになれば、わざわざ苦労してWebページを作る必要もありません。

Webページを配信する側も最近はそういう事に気付いているのか、ニュース本文を表示させる前に広告を差し込んだり、本文を読んでいる時に、広告が突然表示されるケースが増えてくるように思えます。より多く広告を表示させるためには、仕方が無いと思いますが、ニュースを読んでいる側としては、これらの行為は非常にウザイので、ます々Clearlyのようなツールを使って「後で読む」ことが増えてくるでしょう。

一時期、ウィルス対策ソフトに広告を除去するツールが話題になり、その後、その機能が提供される事は無くなってしまいましたが、Clearlyのようなツールは、それをさらに踏み込んでWebページのデザインそのものを変えてしまいます、もしかしたらWebページの表示コントロールについて読者側(Clearly等のソフト)とWebページの配信側で色々と問題が起こるかもしれません。

※2013年追記
最近ではClearlyやInstapaperの他にPocketといった、指定したWebページを保存すると同時に読みやすく整形するツールが出てきており人気を集めています。まだ、これらのツールが問題になることは出てきてませんが、これらを使うと広告などがクリックされなくなります。これらのツールはスマホと非常に相性が良いので、スマホがメインになってくるにつれ、Web配信業者と読者との間で問題となってくるように思えます。