[再掲]RSSは貧弱なニュースサイトを駆逐する。

 RSSを配信するサイトが増加する事により、Web上の情報収集は非常に楽になった。最近では個人のBlogサイトだけでは無く。ニュースサイトやオークションサイト、そして企業の広報にもRSSが利用されている。

 その中でもニュースサイトでのRSS利用は特に広がっている。日本でもCNET Japanや、アサヒコム、nikkeibp.jpなどがRSSを配信しているが、アメリカでRSS配信を実施している日刊新聞社数も増加している。今後もニュースサイトでRSSを配信するサイトは増えていくだろう。

 RSSに対応したニュースサイトが増えていけば、日常の情報収集は確実に便利になる。色々なWebサイトにアクセスする必要は無くなるし、記事単位で新しい情報が取得できる。これほど便利な技術であるから、ニュースサイト側では、購読者を増やす武器として考えている所もあると思う。

 ただ、私は「RSS」がこのような機能をもっているがゆえに、いくつかの貧弱なニュースサイトが逆に駆逐されていくのでは無いかと考えている。


 Web上にある「ニュースサイト」は、個人が趣味でやっているサイトであっても大手のニュースサイトであっても、ニュースソースを提供しているところから「リンク」を貼り、そのリンクに対して何かしらの解説をしている物が多い。例えば、私がやっているP2P today ダブルスラッシュのような個人ニュースサイトは、ITmediaITProといった「大手のニュースサイト」、「プロがやっているニュースサイト」から、リンクを引っ張ってきて「ニュースリンク」を作っている。

 一方の「大手のニュースサイト」は、どこからニュースを持ってきているかいえば、各企業が提供している「プレスリリース」から「リンク」を引っ張ってきている。もちろん、独自の「スクープ記事」もあるかもしれないが、比較的少ないだろう。

 理屈の上では、私のような「素人」でも、各企業のプレスリリースからニュースを配信すれば(少なくともスピードでは)「大手のニュースサイト」に対抗できる。しかし、これは実際に行うのは非常に難しい。

 なぜなら、私たちのような素人は、職業としてニュースサイトをやっている人間と違って、1日中ニュースリリースを読んでいるわけにはいかないからだ。何百社から出されるプレスリリースの中で、自分の興味がある記事だけを抜き出すのは相当な時間がかかる。アフリエイトなどによって個人ニュースサイト運営者でも、現金収入を得られる機会は増えたが、それでも自分の生活をカバーするほどの収入を得るのは難しいだろう。

 一方、職業としてニュース記事を書いている人は「ニュースサイトの運営」が職業であるから「仕事」としてプレスリリースを読み、ニュースを配信している。「仕事」であるから(基本的に)これだけで生活できる。

 あえて「記事内容」を考えず「ニュースの量」と「速報性」だけを見れば、「個人ニュースサイト」と「大手のニュースサイト」の差は、非常に簡単に言ってしまえば、ニュースの元ネタとなる「ニュースリリース」の収集にどけだけ時間をかけたかと言うことになる。

 逆に言えば、短時間で大量の情報から自分の興味のある情報だけを抜き出せるようになれば、個人でも「専門のニュースサイト」並の情報収集が可能になる。当然のことながら、そのような事は今までは不可能であった。しかし、RSSはそれを可能にしようとしている。

 まずRSSには、Webサイトの更新情報を「記事単位」で配信しているので、自分の興味がある記事を取得しやすいという特徴がある。これにより「未来検索」などのRSS専門のニュースサイトで自分の興味がある「キーワード」を入力すると、そのキーワードを含むニュース記事がRSSによって配信される。RSSを配信しているサイトに限定されてはいるが、大量のWebサイトから自分の興味がある(キーワードを含む)記事だけを表示してくれるので、ある特定のジャンルのニュース記事を追う時には「一般のニュースサイト」でニュースを見るよりも、役にたつだろう。

 さらに最近では「ニュースソース」である、プレスリリースなどもRSSで配信されはじめている。例えば、Appleソニーなど強いファンを持つ企業はもちろんのこと、Microsoftやインテルといった企業もRSSの配信をはじめている。さらに企業だけで無く各国の行政機関も少数ではあるがRSSの配信を始めている。

 前述した通り、今までニュースリリースを1つ々読んでいくのには非常に時間がかかったが、RSSによって自動的に配信される事により、一般の人たちにも簡単に最新の情報を入手できるようになる。さらにRSS検索により自分の興味がある情報だけを「フィルタリング」することもできるだろう。そうなれば、単純にプレスリリースの記事と変わらない「ニュース記事」を配信しているニュースサイトや(私がやっている「P2P today」のような)「大手ニュースサイト」のリンクを、ただ載せているだけのサイトはやがて「駆逐」されていくだろう。

 さて、ここまで読んでいただいた方には「そんな事は無い、個人ニュースサイトには各個人ニュースサイトの『センス』があるし、大手ニュースサイトにも『センス』のある記事があるではないか」という意見もあると思う。私もそのような意見に頷ける部分もあるし、そもそも現状のRSSが、ニュースサイトの敵となっていくには、まだ時間がかかると思っていた。

 ところが、最近のWebの動きを見ていると、ソーシャルブックマークに代表される「個人ニュースリンク集」を簡単に構築できるツールが次々と登場してきている。これらのツールが「ニュースサイト」に与える影響は決して小さくないだろう。次回はソーシャルブックマークなどを含めながら、Web上の「ニュースサイト」について考えていきたい。

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