Skypeの国内動向について(中) ?Skype Conference 2005 より?

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 先日のエントリに続いて、「Skype Conference」での私の発表を、Blogにupしたいと思います。今回は、Skypeのライバルについて説明してみたいと思います。

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 次に、もうすぐ登場するビデオ版Skypeのライバル企業について説明いたします。現在のところでは、Skypeは動画通話を行なっておりませんが、もうすぐ登場する予定です。そこで、まず日本でサービスを行なっているビデオフォンのサービスを見てみましょう。

 既に国内では、ビデオフォンはISPを中心に様々な企業がサービスを行なっています、代表的なところではNTTコミュニケーションズが提供している「ドットフォン ビジネスV」、米SightSpeed社が開発したビデオフォンでGMOインターネットが販売している「SightSpeed」、So-netがサービスを提供している「So-net フォンP’」などです。

 どのビデオフォンサービスも、細かな違いはありますが、多人数での通話や050対応、そして「有料サービス」なところは共通となっています。また、変わったところでは、エニーユーザーグローバルが「アィムフォン
」というソフトフォンを出しています。これは、通常のソフトフォンと違いソフトをインストールするのでは無く専用のUSBメモリをパソコンに差し込む事で自動的にソフトフォンが起動するというものです。アイムフォンのWebページだけで無くソースネクストから「いきなりIP電話」というパッケージでも販売しております。

 次に、現在のIMやVoIPの動向を見てみましょう。まずは国内で最も多く使われているインスタントメッセンジャーは「MSN メッセンジャー」です。音声通話などもできますが、従来は音質の面でSkypeに劣っていました。ただ、最新版では音質が向上していますし、最近ではSkypeのライバル企業とも言われていた「Teleo」を買収しております。今後は、一般電話への接続やビデオを使ったビデオフォンサービスなども提供してくるでしょう。そうなれば、音声通話の分野でもSkypeとMSN Messengerとも競合していきます。MSN MessengerはOSにはじめからインストールされている事もあり、Skypeにとっては強力なライバルになるでしょう。

 また、Skypeが普及するとIP電話を提供している企業との競合も始まるかと思います。現在のところ有力なIP電話サービスを提供している業者と言えばソフトバンク(Yahoo! BB)が提供している「BBフォン」です。現状では、BBフォンのサービスとSkypeのサービスは大きく違いますが、Skypeが今後普及していけば、BBフォンを中心したIP電話を提供しているプレイヤーには大きな影響が出るでしょう。ソフトバンクは「1億円程度投資すれば,我々でSkypeと同様のソフトも開発可能」と言っておりますが、Skypeの影響力が高まればBBフォンと連携する「Yahoo! メッセンジャー」などを投入するかもしれません。

 このように、Skypeの登場によって、インスタントメッセンジャーや従来のIP電話会社がSkypeのようなサービスを導入すると思いますが、私はこの他にもPSPやニンテンドーDSのような携帯ゲーム機が意外にもライバルになるのでは無いかと考えています。PSPもニンテンドーDSも無線LANを内蔵しておりますし、ニンテンドーDSはマイクも内蔵しております。オンラインゲームをやる時に相手のコミュニケーションは必ず必要になりますから、携帯電話ゲーム機にSkypeのような音声通話機能がついても不思議では無いでしょう。

 とは言え、まず最初の段階では、MSN メッセンジャーやGoogle talkのようなインスタントメッセンジャーが最大のライバルになるでしょう。ただ、現状ではこれらのインスタントメッセンジャーは機能的に見て、Skypeのライバルにはなれません。現在のメジャーなインスタントメッセンジャーは「カンファレンス機能」もありませんし、音質に関してもやっとSkypeに追いついたような状態です。現状では音声に関しては「敵」無しと言ってしまっても良いと思います。次の戦場は「テレビ電話」と「一般電話との通話」でしょう。これらの機能がポイントになってくると思います。

 「テレビ電話」機能がポイントになれば、昔からこのような事業を行なっていたプレイヤーには有利に動くはずですが、前述した通り彼らはの多くは「有料」でサービスを行なっています。Skypeや他のインスタントメッセンジャーは、質の良くなったビデオ機能を無料で提供するするでしょうから、日本の「有料」メーカでは戦いは厳しくなるでしょう。