岩倉具視?言葉の皮を剥きながら (文春文庫) 永井 路子 文藝春秋 2011-02-10 by G-Tools |
(これは2011年に書いて文章を再掲載したものです)
去年の大河ドラマが「龍馬伝」だったことや近年の幕末ブームをうけてか「幕末の志士」の人気が高まっているような気がしています。
その中でも維新前に亡くなってしまった、坂本龍馬や高杉晋作といった人間が人気があり、大久保利通や伊藤博文のように維新後も生き残った人達は(私の主観かもしれませんが)どうも人気が無いような気がしています。
特に本書の主人公である「岩倉具視」は、「維新の志士」の中でも特に「人気が無い」人間の部類に入ると思います。
歴史の教科書を読むと、大久保利通や西郷隆盛のように華々しいイメージもなく、どちらかというと「岩倉使節団」のパッとしない印象や「天皇を毒殺したのではないか?」といった嫌疑をかけられている印象があります。
それでは、実際の岩倉具視はどうだったのか? 今回紹介する「岩倉具視?言葉の皮を剥きながら」は、岩倉具視から、幕末の日本を見たものとなっています。
学生の頃、幕末を見ているとどうしてもわからなかった所があります。例えば、岩倉具視のような下級公家が、どうして最終的に右大臣になったのか? また「尊皇」「攘夷」という言葉は、なぜ結びついたのか? そして岩倉具視は本当に天皇を暗殺したのか?
この本では、このような疑問に答えてくれます。最近の歴史ブームで、幕末に関心を持った人は一読をおすすめいたします。