P2P todayが注目する5つの分野

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 いつも「P2P today ダブルスラッシュ」及び「Next today ダブルスラッシュ」にアクセスして頂きありがとうございます。皆様のおかげで、P2P todayは始めて2年程度経過しました。ありがとうございます。

 さて、これを機会に当サイトに掲載する情報の性質を明確にしていきたいと思います。今後、P2P todayは「サービス提供者・受信者が最も良いと思う物を作りだしていく」技術、そして「その技術を取り巻く環境」に焦点を当てていきます。

 と言っても大きくは変わりません。ただ、私がどのような基準でニュースをクリップするかを明確にしていきたいだけです。と言いますのも、私のサイトをご覧になっている方は「P2P todayというタイトルなのに、どうして検索エンジンやBlogなど、P2Pとは関係無い情報を掲載しているのか?」という疑問を持っている方もいらっしゃると思います。(事実、そういう質問を何回かいただきました。)そこで、今回はP2P todayがどのような基準でニュースをクリッピングしているかを説明します。

 例外もありますが、基本的に「サービス提供者・受信者が最も良いと思う物を作りだしていく」技術について「仮想化」「検索」「エージェント」「コミュニケーション」「無線」の5つをキーワードに、これらに関連した分野の動向をクリッピングしています。

 と言っても、これだけでは、少しわかりにくいと思いますので、ちよっと説明したいと思います。

1 「仮想化」
 主にP2P、グリッド、Webサービス、分散コンピューティングといった技術が、このカテゴリに入ります。私は、これらの技術を、ユーザの環境を「仮想化」する技術だと理解しています。(かなり乱暴ですが…)

 Napsterは巨大なハードディスクを生みだし「『共有』と言う所有方法」を実現しました。SETI@Homeは巨大なスーパコンピュータを「実質的」に構築しました。WebサービスはGoogle、Amazonを「実質的」に他のサイトからも使えるようにしました。

 名称はどうあれ、これらの技術は分散されていたリソースを実質的に集中・整理してくれるものです。従来は特別なシステムが無ければアクセス実現できなかった事を実質的にできるようにしてくれます。現在はグリッドやWebサービスは特定の事業者しか利用できませんし(SETIやUDに参加している人でも、その計算力を自分で使っている人はいないでしょう?)Webサービスも一般的になっているとは言えません、Googleやブラウザと同じような感覚で「Webサービス」を使っていると言う人はあまりいません。これらの技術は、まだ々一般的なツールになったとは言えないでしょう。

 しかし、IT系のニュースサイトを見ればわかると通り、これらの技術に対する動向は毎日のように報道されており、非常に期待されている技術です。これらの技術が前評判通り普及していくか、失速するかはわかりません。ただ、名称は変わっていくかもしれませんが、大きな意味で「仮想化」の技術は必ずブレイクするでしょう。そのため、現時点で存在してる「仮想化」技術を追っていく必要はあると思っています。

2 検索
 「今、IT系ニュースの中で最も盛り上がっている分野は何か?」と言われれば間違いなく「検索エンジン」でしょう。トップを走るGoogleに対して、挑戦者Yahoo!とMSN、Amazon(の関連会社)等々のプレーヤが猛烈な勢いで追い上げいます。その結果、これらの会社が次々と新しいサービスを始めています。

 言うまでも無いことですが、インターネットの情報はもちろんの事、自分のパソコンの中に入っている情報ですら、数年前の何倍にもなっています。そこから情報を探すためだけでも「検索エンジン」が重要な技術だという事がわかると思います。この事はGoogleのIPOよりも重要なことでしょう。

 しかし、P2P todayが興味を持っているのは「インターネットの検索技術」だけではありません。今後「ユビキタスネットワーク」とやらが実現すれば、(信じがたいことに)私達はどこからでも同じようにコンピュータが使えるようになるとのことです。スゴイですね。

 この「ユビキタスネットワーク社会」とやらを実現するには、Mark Weiserの「Ubiquitous Computing」の考えである「1人のユーザーがいくつものコンピュータを使う」環境になる必要があります。そして、それらのコンピュータは「無線技術」でつながっていくでしょう。言い換えれば、自分の持っている端末間でLANやPANを構成することになります。

 当然、そのコンピュータを使う時と場所によって数や種類が違ってきます。そうなれば、自分の使えるコンピュータ間で切断と接続が繰り替えされる、非常に不安定な状態になります。

 この時、自分が使えるコンピュータ間でデータを検索する時は非常にやっかいなことになります。検索するデータがどの端末にあるかわからないからです。使えるコンピュータが常に一定であるならば安定した検索ができますが、コロコロと変わるコンピュータ環境下では安定した検索できません。

 P2P todayでは「次々世代の検索技術エンジン」に必要なのは、この問題を解決する技術だと考えています。もっとも現在のインターネット環境を見れば、「ユビキタスネットワーク社会」とやらが実現するのは当分先ですが、現状の「検索エンジン」の動向を追いながら、どのようにすれば「Ubiquitous Computing」時代の検索技術が実現できるかを、考えていきたいと思います。

3 エージェント
 RSS、はてなアンテナ、Googleニュースなどがこのカテゴリに入ります。一見すると「RSS」や「アンテナ」のようなツールと「Googleニュース」は関係ないように思えます。しかし、私はこれらのツールは融合してくると思っています。

 ご存じの通り「Googleニュース」の作成は「人手」がかかっていません。Googleのアルゴリズムがニュースを選んでおり、人手がかかっていなくとも、あれだけのサイトができています。これにRSSやアンテナ等のツールが連動し、自分専用のGoogleニュースができてしまえば、(従来のP2P todayのような)情報サイトの大部分は、いらなくなるでしょう。

 4 コミュニケーションツール
 メール、IM、VoIP等が入ります。ただ、これらのツールの進化よりも「スパム」の方が問題になってくるでしょう。現在では、メールのスパムが目立っていますが、IMやVoIPツールを利用したスパムも登場してくるでしょう。

 新しいコミュニケーションツールを、スパムからどのように守っていくかを考えるには、現状のコミュニケーションツールとスパムの動向を知る必要があると思います。

 5 無線

 3G、無線LAN、WiMAXなどがこのカテゴリに入ります。当然、UWBやBluetoothなどの近距離無線も入りますが、基本的には「3G VS 無線LAN」の話題が中心になると思います。

 将来を考えれば「3Gに未来は無い」と考えるのが一般的かもしれませんが、やりようによっては3Gも生き残れると思います。恐らく「“認証”VS“低料金”」の戦いになるでしょう。

 以上。P2P todayは、今後もこれらの分野のニュースのクリッピングを中心に行っていきます。

 前述した通り、あと数年でP2P todayのようなサイトは必要が無くなるとは思いますが、もうしばらくおつきあいください。