[再掲]P2P再考(2) 我が手にサーバを

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 P2Pを考え直す前に現状のWebを少し見てみよう。この前、ある方にお願いをしてGREEやMixiといった「ソーシャルネットワーキング」サービスに加入させてもらった。

 「ソーシャルネットワーキング」は、加入するまで「あまり怪しくない出会い系」程度の印象しか持っておらず、サービス自体はそれほど期待していなかったのだが、MixiやGREEなどを使ってみたところ非常に面白く、最近では毎日Mixiにアクセスしている。

 特に面白いと思ったのが、ソーシャルネットワーキング全般で提供されている、自分の属性情報の「公開範囲」の設定と、Mixiで提供されている「足あと」サービスだ。公開範囲の設定は、相手によって自分の生年月日や住所などの個人情報の公開範囲を設定できる。たとえば「全体に公開」「友達の友達まで公開」「自分の友達まで公開」といった具合だ。

 また「足あと」機能は、Mixi内の自分のプロフィールページに誰が来てくれたかを通知してくれる機能だ。この機能を使えば、自分のプロフィールに「誰が」興味を持ってくれたかという事がわかるし、自分の「足あと」を相手のページに残す事によって、相手に「自分」の存在を教えることもできる。

 個人的には、これらのサービスは非常に面白く感じているのだが、なぜこれらのサービスはMixi経由でなければ使えないのだろうか?普通に考えれば、Mixiのような機能を自分のWebページやBlogでも提供できても良いはずだ。


 現在のWebを見ていると、あまりにも制約が多すぎるように感じる。例えば、特定の人にだけに見せるWebページを作るのは難しいし、サーバに置くファイルの容量も決まっており、自作の音楽ファイルを何十曲も置いておくのは難しい。また、Movable Type等のBlogの構築ツールや、Wiki構築ツールを使って、インターネットに公開するためのサービスを作るのも、ASP型のBlogに比べれば相当難しい。こんな状態では、オープンな環境でソーシャルネットワーキングを作るのは、ほぼ不可能だ。

 もちろん、上に挙げた事はネットワークやサーバに詳しい「あなた」ならば、簡単にできる事かしもしれない。しかし、私も含めた「インターネットの初心者」には、これらの事はできない。仮に出来たとしても、自分でサーバを購入/設置する手間がかかるし、レンタルサーバを借りるとしても毎月のいくらかの費用が発生してしまう。

 もちろん、レンタルサーバ上である程度のビジネスをやろうとしている人なら、ある程度の費用を払っても良いだろうが「趣味でWebページを作っている」人達が、わざ々お金を払ってレンタルサーバを借りるかどうか疑問だ。

 このように現状のWebでは、普通の人が「自分のため」のサーバが利用できないため、様々な制限があると同時に、自分の好きなように「規制」をかける事ができない。そのため、Webページはもちろんの事、Webを利用したサービスを自分で作ることが難しくなっている。

 私は、このような「自分のためのサーバ」を作るためにP2Pを利用できないかと考えている。P2Pというと、どうしても「ファイルを分散/拡散させるもの」といった考えや「インターネット上に散らばったネットワーク資源を集中させるもの」という印象が強い。しかし、無秩序にファイルを分散/拡散させるだけがP2Pの役割では無い。

 P2Pの特徴として「サーバにもクライアントにも変化する」点が挙げられる事が多いが、従来はクライアント同士を結びつける事を中心に考えられていたと思う。今後は、個々のパソコンを「サーバ」と変化させ、自分の好きなようにWebページ/サービスを構築できるような仕組みがあっても良いと思う。

コメント

  1. 横田真俊 より:

    これは以前Next todayにエントリしたものです。