とあるIT技術用語の講習会に参加しました。初心者向けの講習会だったので「サーバ」「クライアント」「プロトコル」と、このBlogを読んでいただいている皆様にはお馴染みの“言葉”の説明がありました。
この講習会に参加して改めて思ったのが、自分達が使っている普段使っている“言葉”の説明を、その“言葉”を普段から使っていない人に行うのは非常に難しいという事です。その“言葉”を日常で使っているのであれば、正確な意味がわからなくとも、なんとなく感覚的にその言葉がわかってくる(もしくはわかった気になります。)
ところが、普段その“言葉”を使っていない人にとっては、突然そのような“言葉”を言われても、一体なんのことだかさっぱりわかりません。その“言葉”を理解してもらうには、お互いがわかっている物を比喩として出したり、図やグラフを用いて説明するなど色々と工夫が必要となります。
さらに説明する物が「まったく新しい概念」だったら、ますます大変となります。なにしろ、その“言葉”の定義もまだ決まっていないのです。そのような状態で説明するのは非常に難しいです。説明をする相手によっては、ますます混乱させてしまったり、興味を持たなくなってしまう場合もあります。
著作権を自分でコントロールするための新しいプロジェクトである「クリエイティブ・コモンズ」の発起人ローレンス・レッシグは、ワシントンでロビー活動をした際、下院議員に「君は説明をしているという時点ですでに負けている、3秒で理解されなければ負けだよ」と言われたといいます。
インターネット上で一定の評価を得ている「クリエイティブ・コモンズ」ですら、このような状態です。人に何かの“言葉”をわかってもらうためには、3秒ぐらいで説明できる物でなければ理解してもらえないのでしょう。
とは言え「画期的で新しい概念」を3秒で説明するのはやはり難しいです。「相手に伝わるように、理解できるように話す」当たり前のようですが、やはり難しいものは難しいです。そう感じながら、講習会を興味深く聞かせていただいた一日でした。
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この文章は2006年に書いた物を修正して再掲載したものです。