コモディティ化する「電子書籍」とワープロ化する電子書籍「端末」

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先日「電子書籍」端末についてエントリを書きましたが、色々と考えると「電子書籍」と「電子書籍端末」を別物として考えた方が良いような気がしてきました。

一見すると同じものに見られがちな両者ですが

・電子書籍「端末」は「端末」
・「電子書籍」は「機能」

という風に分けると、話がわかりやすくなるような気がしています。

電子書籍「端末」が「端末」というのは、特に問題が無いでしょう。キンドルのような専用機にしろiPadの汎用的なデバイルにしろ、これらは「端末」です。

一方の「電子書籍」というのは端末に入っている「機能」のような気がしてきています。電子書籍「端末」の中にある「電子書籍が読める」という機能です。

「電子書籍」が「機能」と言われても、ちょっとわかりにくいと思いますので「時計」を例にして説明したいと思います。

時間がわかる「時計」は非常に重要な機能です。昔は、この時間がわかる「腕時計」は非常に高価な物で、親から子に受け継がれていくことも珍しくはなかったということです。

ところが現在はどうでしょう「時計」は様々な端末・機械の「機能」の1つとなっています。例えば、私の周りを見渡すだけで、パソコン、iPad、携帯電話(ガラケー)、iPhone、テレビ、炊飯器、複合機と様々な物に入っています。高価な「専用機」が必要だった「時間を知る機能」は、今やコモディテイ化し、ありふれた機能となっているのです。

私は今の「電子書籍」は、この時計のような物だと思っています。今は「電子書籍」機能は、電子書籍「端末」などにしか入っていません。しかし「電子書籍」機能は「時計」のようにコモディティ化し、様々なデバイスに入っていくと思います。

例えば、キンドルは専用端末だけでなく、iPhone、iPad、PC、Macと様々なデバイスに「電子書籍」機能を提供しています。このように「電子書籍」機能が専用機に以外でも広がっていくと思っています。

もちろん「電子書籍」機能が電子書籍「端末」以外にも普及してしまうと、電子書籍「端末」のメリットが失われます、かつてのワープロ機のように「専用機」であることがデメリットになるかもしれません。

こういった事があるので、電子書籍「端末」は、書籍以外にも手を広げるべきだと私は考えています。

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これは2011年1月にエントリしたものです。

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