過負荷に耐えるWebの作り方 ~国民的アイドルグループ選抜総選挙の舞台裏 (Software Design plus) 株式会社パイプドビッツ 技術評論社 2013-12-25by G-Tools |
以前ご紹介した「「過負荷に耐えるWebの作り方 国民的アイドルグループ選抜総選挙の舞台裏」を献本いただきました。ただ、せっかく献本していただいたのですが、既に自分で買ってしまった後でした…
読み終わりましたが「IT関連のプロジェクトをどのようにして回していくのか?」ということがわかる良書だと思います。
《タイトルではわかりにくいが、プロジェクト進行の良い見本》
「過負荷に耐えるWeb作り」という事や本の表紙に「毎秒1万アクセス」と書いてあるので、本の主題は「毎秒1万アクセスに耐えるWebサイトの技術」ということになると思ったのですが、実際には技術解説も含めて「ブロジェクトにはどのようなフェーズがあって、それはどのようにこなしていくのか?」という事を丁寧に書かれて本となっておりました。ただの技術書には止まらない、実際のプロジェクトの運営についてわかるかと思います。「バリバリの技術者」が技術のために読む本というよりは、これからプロジェクトを参加・運営していく方に良い本だと思います。
単純な技術書ですと、サーバの構成とインストールしたソフトとそのカスタマイズ方法の解説に止まってしまうのですが、本書では、最初にブロジェクト全体の話の後「システム設計」「技術の選択」「検証」「運用」といったフェーズを解説しています。そのため、実際に「毎秒1万アクセスに耐えるWebサイト」を実現するには、どのように設計をして、どのように運用をしていくのかが解説されています。
ただ、冒頭で「実際には毎秒1万アクセスも来なかった」と書かれており、ちょっと拍子抜けしてしまいましたが、あくまで最終の成果物が「毎秒1万アクセスに耐えうるWebサイト」ということで、それを実現するためのプロジェクトをどのように運営するかという内容は非常に面白かったです。
(※ 発注のオーダは「毎秒1万アクセス」であり、負荷テストでは確かに1万アクセスに耐えているので「毎秒1万アクセス」には耐えたということでしょう。)
「毎秒1万アクセスを実現する技術」ということ同時に、IT業界のブロジェクトがどのように進んでいくのかを知りたい方に良い本だと思います。