これは2011年4月に書いた物を再投稿したものです。
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ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業 ヤンミ・ムン 北川 知子 ダイヤモンド社 2010-08-27 by G-Tools |
コンビニに行けば数多くのミネラルウォーターが売られています。それらのミネラルウォーターは、それぞれ一つずつ違います。商品名は当然の事、成分や軟水や硬水かといった違いなどもあるのだと思います。
ミネラルウォータマニアならば喜ばしい状況ですが、正直なところ「普通の人」には、これらの数十種類のミネラルウォーターの違いはわかりません。普通の人はこのような「ミネラルウォーターの氾濫」は自分にあった物が選べる状態ではなく、意味ある違いが無い商品群になってしまいます。
今回ご紹介する「ビジネスで一番大切なこと」は、まさにそんな状況を説明する本です。様々な商品が差別化するために、様々な工夫をしますが、結局コモディティ化し、意味ある違いにならなくなってしまいます。この本はそれらの実例を説明しながら「本当の違い」を出すためヒントが書かれています。
例えば、より中の逆の道をあえて進む「リバースブランド」、既存の分類を置き換える「ブレークアウェーブランド」、好感度に背を向ける「ホスタイル・ブランド」といったものを説明しています。
例えば「リバースブランド」ではGoogleを例にしています。少し前までは、Googleのライバルといえば、Yahoo!やMSNなどのポータルサイトでした。
信じられないかもしれませんが、当時のポータルサイトは、自分たちが持っているコンテンツ量が重要で、検索の精度はそれほど重要ではありませんでした。
彼らポータルサイトは、1つのページに様々な情報を囲い込み、訪問者を逃がさないようにしていました。
しかし、Googleのトップページは非常にシンプルで、コンテンツを囲い込みせず、検索結果を通じて他のページに移動させようとします。そのため、非常に検索の精度は優れていました。この事は当時のポータルサイトでは考えられないことです。
現在のGoogleの成功は、言うまでもありませんが「意味ある違い」を出せなくなったら、あえて違うことをして差別化することは重要なのだと感じました。