プレゼン技術研究会を一年間やってみて、プレゼンについてわかった3つの事

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横田です。去年から前佛さんと一緒に「エンジニアのためのプレゼン技術研究会」というのをやっています。こちらの研究会は参加者全員が「なんらかのプレゼン」をすることが必須となっている結構ハードルが高い研究会となっています。

この数年、私自身もセミナー講師やハンズオンで登壇することが多くなり、プレゼンの勉強や研究する必要があったので、自分自身も勉強も兼ねてプレゼン研究会に参加いたしましたが、色々と勉強になりました。今回のエントリはプレゼン研究会に参加してみて、改めてプレゼンについて勉強になった事を書いてみたいと思います。

《1 プレゼンは実際にやってみないと上手くならない。》

今回の「プレゼン技術研究会」で最初に決めたのは「参加者全員がプレゼンをする」という事でした。なぜ、こんな参加する人達のハードルを上げるような決まりを作ったかと言いますと「プレゼンは実際にやってみないと上手くならない」と考えたからです。

インターネット上では、プレゼンを上手く実施するTipsなどの記事が沢山ありますし、プレゼンに関する本も数多く出版されております。これらの記事や本は確かに参考にはなると思いますが、プレゼンのために「人前に立って話す」という事は実際にやってみて経験を積まないと上手くならないと主催者側は考えています。

Web記事や本でスライドの作り方やパワーポイントやkeynoteのテンプレートを配布している所もあります。これらを利用すれば確かにスライドを作るのは上手くなるでしょう。しかし、プレゼンは人前に立ってしゃべる必要があります。しかし、普通に生活しているとなか々人前に出て何かを発表するという機会は少ないです。機会が少ないので「数少ない大事なプレゼンをする機会」でうまくしゃべれずに失敗してしまう可能性もあります。

プレゼンが上手くなるためには、まずは「人前に出てしゃべる」事に慣れる必要があると思っています。慣れる前に失敗することもあるでしょう。でも、その失敗が「数少ない大事なプレゼンをする機会」では無く「プレゼンの練習場所」で失敗するのであれば、それは単に失敗したのでは無く「経験」となります。そのような「経験」を重ねていけば「数少ない大事なプレゼンをする機会」では、しっかりとプレゼンをすることができると思います。

この「プレゼン技術研究会」は、実際にプレゼンの練習をして「失敗」をしてもらい、それを「経験」として活かしてもらうような場所になっていければ良いと思っています。そのため、単に講師がプレゼンについてしゃべるだけでなく、参加者全員に実際にプレゼンをしてもらっています。

私自身、まだ々プレゼンで話すことは上手くないが、昔はもっと下手でした。10年ぐらい前にはじめて100名規模でプレゼンをやりましたが、その時のプレゼンは本当に酷く、プレゼンをやっていた会場から「ガンバレー」と声援が出たぐらい酷いものでした。そんな私ですが、去年は年に50本ほど講演やハンズオン、LTをやりました。

年に50回も人前に出てしゃべれば、私のようにどんなにしゃべるのが下手でもプレゼンに慣れてきます。1度プレゼンに慣れてしまえば余裕が出てきて、上手くはないもののプレゼンの内容はそれほど酷くはなりません。ただ、慣れるためには、どうしてもプレゼンの実践をする必要があります。逆に言えば何回か人前に出てしゃべれれば大丈夫になります。。

この「プレゼン技術研究会」でも、最初はそこまで上手くなかった人が、回を重ねるごとに確実に上手くなっている人もいます。その人の性質もあると思うが、人前に出てしゃべる事が、うまくなった要因だと思います。

《2 聴衆をただ笑わせるだけでは意味がない。》

「パワポ・カラオケ」という物があります。端的に言うと、はじめて見るスライドで即興のプレゼンを行うものです。「人前に出てしゃべる」という練習や、場を盛り上げるために行うであれば、このように「パワポ・カラオケ」も良いと思います。

ただ、自分が普通のプレゼンテーションを行うのであれば「パワポ・カラオケ」をやっても意味がありません。プレゼンテーションの目的は「場を盛り上げる」ことでも「聴衆を笑わせる」ことでもありません。何らかの主張をして聞いた相手を動かさなければ意味がありません。

例えば、自社の製品のプレゼンであれば、その製品を知ってもらい最後はその商品を買ってもらわなければいけませんし、自分が好きな本の紹介などの場合も、その作品を知ってもらう事が大事でしょう。ただ、残念ながらプレゼンの場で「パワポ・カラオケ」のようなショーをやってしまいがちな人も多いように思えます。

例えば、IT系のLTだと「ネタ画像」を使ったりして、無理に笑わせようする人もいます。「適度な笑い」なら良いが、プレゼンの目的は「観客を笑わせる事」ではないはずです。ただ単に聴衆を笑わせることに注力しても、自分のプレゼンが相手には伝わらないでしょう。

《3 自分語り、会社説明だけのプレゼンは響かない》

聞いていて「つまらないプレゼン」は色々とありますが、個人的には「つまらないプレゼン」で一番多いパターンは、自分や自分の会社の案内を永遠と繰り返すタイプだと思っています。特に会社命令でイベントに参加し、発表している自分自身でも「つまらない」と思っている会社紹介は心の底からつまらないプレゼンが多いです。

また、自分の売り込みのために、ひたすら自己紹介を繰り返す人もいらっしゃいます。酷い人になると「エバンジェリスト」の肩書きを持っているのに、ただ単に「自分」の売り込みをされている方もいます。何のためにエバンジェリストの肩書きを、そのような人に与えているのか、まったく謎です。

自分語り、ただの会社説明がどうしてつまらないかと言えば、聞いている人が1ビットも興味がないからです。講演タイトルが自社製品の説明となっていて、それが目的で参加している人に対して「自社製品の説明」をするのであれば良いのですが、誰も興味がない商品説明や自分語りのプレゼンをしても逆効果です。

もし、このようなプレゼンをする場合は、どうして自分がこのテーマでしゃべって、聞いている人の人生にどのように関係があるかをしっかり説明しなければなりません。そうでなければ関心をもって聞いてもらえず、プレゼンをする人にとっても聞く人にとっても不幸な結果になると思います。

《まとめ》

というわけで、私もプレゼンについては色々と勉強中ですので、プレゼン初心者で実際に練習をしたい方は「エンジニアのためのプレゼン技術研究会」にぜひ参加してください。

[関連リンク]
エンジニアのためのプレゼン技術研究会 – connpass