デスクトップの壁紙を動く動画にできる「Wallpaper Engine」が話題だ。早速、自分も購入してみて、自分のパソコンに入れてみた、とても「便利な実用的なソフト」という訳ではないし、CPUもメモリもそれなりに食うが。自分のデスクトップが動くだけで、なんとなく「近未来感」を味わえる。
ただ、こういう「動くデスクトップ」を実現したのは、何もWallpaper Engineが最初ではない。もう10年以上前に「Active Desktop」という機能がInternet Explorerにはあった。このActive Desktopは、自分のデスクトップにHTMLコンテンツを表示できるというもので、ブラウザーを使わずにデスクトップからWebページを表示できた。
しかしWikipediaにも書かれている通りPCのリソースを食うことから、そこまで人気にならならずInternet Explorer 7で廃止されている。人気が出なかった理由としては、PCのリソースを食うということもあったと思うが、インターネットがまだそこまで普及していなかった事や、常時接続ができるパソコンも少なかった事も失敗の要因としてはあるだろう。デスクトップに情報を表示してもインターネットに常に接続してなければ最新の情報を反映されないので、あまり意味がないからだ。
ただ、インターネットに接続できていれば、Active Desktopが普及したのかと言えば、必ずしもそうとは言えない。なぜならば、次の進化形であるウィジェットエンジンも、そこまで普及しなかったからだ。
ウィジェットエンジンは、デスクトップに簡単なアプリを表示するツールで、時計やニュース、また特定のWebサービスの最新情報を表示してくれる機能で、当時は、MicrosoftがWindows Vista/7でMicrosoft Gadgetsを、さらにGoogleやYahoo!などの大手も参入していた。個人的には非常に便利に使っていたのだが、こちらも人気が無く、MicrosoftもGoogleもYahoo!もサービスを終了している。
なぜActive Desktopもウィジェットも人気が出なかったのだろうか? 個人的には普通にパソコンを使う人は、デスクトップはほとんど見ていないからではないかと思っている。パソコンを起動する人は、当然、パソコンを使って何かしらの操作をするためにパソコンの電源を入れるのだと思う。それが文章を書く事であったり、エクセルで計算をする事だったり、ブラウザでWebサイトを見ることだったとしても、デスクトップの壁紙を見る機会はそんなに無いだろう。そうなれば、壁紙と同化しているActive Desktopもウィジェットも見ることがなく忘れ去れてしまうのだろう。
Wallpaper Engineは非常に面白く、個人的には応援していきたいが、恐らく普通の人が利用することはあまりないのではないだろうか? 個人的には壁紙よりもWindowsのロック画面に表示できるようにした方がWallpaper Engineの面白さを伝えられると思う。
※1 Wallpaper EngineはWindows用のソフトだがMacにはMagic Windowという、壁紙を動く風景にするソフトがある。私もインストールしたが、こちらも結構CPUリソースを消費する。
※2 ウィジェットエンジンはほとんどなくなってしまったが、デスクトップをカスタマイズするツールであるRainmeterというソフトを使うと、今でもウィジェットが利用できる。
[関連リンク]
・Steam コミュニティ :: Wallpaper Engine