自己啓発本に疲れてしまった人に、「疲れすぎて眠れぬ夜のために」

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※ これは2008年12月に書いた物を転載したものです。

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)
疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫) 内田 樹角川書店 2007-09-25
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starなんか納得いかない・・・・
star毒気が少ないほうです
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知に働けば蔵が建つ」を読んで以来、今月に入ってから4冊ほど内田樹先生の本を購入した。購入した本は通勤時のお供に読んでいて、最近は文庫になった「疲れすぎて眠れぬ夜のために」を読んでいる。以前、読んだ「知に働けば蔵が建つ」も面白かったが、今回も面白い。小説以外の本でこんなに楽しみながら本を読むのは久しぶりだ。

なぜ自分は、こんなにこの本を面白く読んでいるのだろう? 色々と考えてみたのだが、
自分がこの本を「アンチ 自己啓発本」と読んでいるのだと思い当たった。自己啓発本を何冊か読んだ後に、この本を読むと気づくのだが、この本にはいわゆる「自己啓発本」とは、まるっきり正反対の事を書いてある。

これは、私の思い込みかもしれないが、数多く出版されている「自己啓発本」には、共通して「目的を持て」「自分らしく」「個性的に」生きろ、というメッセージが繰り返し出てくるように感じる。最初は新鮮に見えたこのようなメッセージも、何度も々も見ると飽きてくるし、だんだんと疲れてくるようになっていた。

しかし、この本は「自分探し」を「作りは話」と言い、「できあいのサクセスストーリを見て、それで人生の指針が定まって、大変役に立ったという人より、そのサクセスストーリと現状の自分とのギャッブに愕然とした人の方が多いのではないか」と、自己啓発本によくあるメッセージをバッサリと切っている。

どのようにバッサリ切るのかについては、本書を読んでいただければ幸いだが、自己啓発本によく出てくるメッセージに疲れてしまった人には、本書は非常に面白く読めると思う。